最近、お墓や供養の在り方に変化が出てきていると言われています。
自分が亡くなった後は家族に迷惑をかけたくない、という思いから生前に葬儀やお墓について考える「終活」に取り組む人も増えてきました。
その中でも、自然回帰、自然の中でお花に囲まれてお墓に入りたい、などの思いから「樹木葬」について考える人も多くなっているようです。
ここでは「樹木葬」はどんなものなのかを考え、特に奈良県において「樹木葬」に取り組んでいる寺院や施設を紹介します。
ぜひ自分で確かめ、後悔しない選び方をしていただきたいと思います。
樹木葬とは?
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標とし、個人を偲ぶシンボルとして埋葬を行うお墓のことです。
樹木墓地、樹林墓地とも言われています。
どういう形の樹木葬であっても永代供養がついていることも特徴的です。
費用が安く済んだり、家族構成の問題でお墓を継ぐ人がいないといった現実的な問題を解決したり、死後は自然に還るという日本人が共感しやすいことから最近注目が集まり、希望する人が増えている供養の一つです。
また自然で、明るく、自由、といったイメージもあり、狭い、暗いといったお墓のイメージを変えていくものになっています。
まだ少ないとはいえ、全国的にも多くの霊園や寺院が取り組むようになってきた、注目の墓地・供養の形です。
樹木葬と一般墓の違いは
一般的には「お墓」と言えば、昔ながらの和型墓石(伝統的な縦長のお墓)、そして場所は檀家になっているお寺の先祖代々のお墓を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
お墓の種類は
・先祖代々の「継承墓」
・一人で眠る「個人墓」
・夫婦二人だけで眠る「夫婦墓」
・二つの家族が一緒に眠る「両家墓」
・他人と眠る「共同墓」
・樹木やお花の下で眠る「樹木葬」
・手元で供養する「手元供養」
・お骨を細かくして海に撒く「海洋散骨」
などがあります。
最近は今まで当たり前とされてきたお墓ではなくて、自分の最後に眠る場所としてのお墓を考える人が増えてきています。
逆に言えば選んでよい時代になってきたのですね。
それでは、樹木葬と一般墓の違いは何でしょうか?
その特徴、またそれぞれのイメージについてざっくりと考えてみましょう。
樹木葬 |
一般墓 |
|
場所 |
自然に囲まれて雄大な場所 |
アクセスの良い街中にある場合もある |
形 |
樹林・里山・ガーデン・ペットと |
和型墓石・洋型墓石・デザイン墓石など |
価格 |
一般墓に比べて安価 |
ピンからキリまで価格差がある |
イメージ |
樹木花に囲まれて明るいイメージ |
故人を偲ぶ厳粛なイメージ |
樹木が枯れたらどうなるの?
樹木葬の場合でも、その墓地には管理者はいるので、シンボルである樹木が枯れることはほとんどありません。
しかし、霊園によって管理の在り方にも違いがありますから、契約前に確認をしておくと良いでしょう。
それでも、樹木は自然の一部ですから、管理をしていても枯れることはあるかもしれません。
樹木葬の本来の考え方からすれば、枯れてしまった場合は自然に還ったのだと受け止めることもできるでしょう。
もちろん新しい気持ちで植え替えをすることもできますし、ある年数が過ぎれば木が枯れてもそのままということもあるかもしれません。
樹木葬を決めるときには、「樹木が枯れたらどうするのか」など、自分の知りたいことを霊園によく確かめ納得した上で決めていただきたいと思います。
奈良でおすすめの樹木葬8選
それでは、さっそくおすすめの樹木葬をご紹介して行きたいと思います。
空海寺 天平墓苑
空海寺の天平墓苑は、春日山のふもとにあり、奈良の街を見渡せる場所なので墓地から見える夕日が絶景です。
従来型の一般墓地に加え、「樹木葬」「夫婦墓」「合葬墓」と3種類の永代供養があり、特に樹木葬「いのり」では改装されることなく、永代に渡って同一の場所に遺骨が埋葬されるので「土に還る」というイメージにふさわしい形ではないでしょうか。
また奈良公園にも近いのでアクセスが良いのも特徴的です。
所在地 | 奈良県奈良市雑司町167番地 |
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電話番号 | 0742-23-0031 |
最寄り駅 | 近鉄奈良線 近鉄奈良駅 |
アクセス | 近鉄奈良駅から車で5分 駐車場あり |
電車・バス | 近鉄奈良駅より奈良交通バスを利用する場合は、2番のりば(青山住宅行)にて乗車し、4つめの「手貝町」にて下車。 |
送迎ハスの有無 | 無 |
宗旨・宗派 | 不問 |
霊園施設 | 法要施設・多目的ホール・永代供養施設・駐車場 |
開園時間 | 9:00~16:00 |
定休日 | 無 |
墓地タイプ | 寺院墓地 |
墓地の形態 | 一般墓・樹木葬・合祀墓 |
費用 | 一般墓 88万円~(+墓石代)・樹木葬 40万円~ |
URL | https://kukaiji.com/eidaikuyou |
速成寺 納骨堂・樹木葬
境内には、四季折々の花や木が並び、4種類3500株の芝桜は見事です。
野鳥や蝶が集まるような、自然が豊かで心が癒される空間となっています。
速成寺の中で様々なお墓を選択することができ、特にエリアの一部に女性専用区画が設けられており、希望者には葬儀から納骨、永代供養まで一貫してサポートする制度もあります。
おひとり様でも女性でも安心して選択できる場所の一つと言えるでしょう。
所在地 | 奈良県大和郡山市南部山町397番地 |
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電話番号 | 0743-55-2111 |
最寄り駅 | 近鉄福原線 近鉄郡山駅 西へ徒歩約13分
LR関西本線 郡山駅 西へ徒歩約23分 |
アクセス | 第二阪奈道 大和まほろばスマートICから北へ約10分 |
電車・バス | 奈良交通
近鉄郡山駅から1番乗り場 小泉東口行か矢田寺前駅 矢田筋下車 徒歩約四分 法隆寺前から2番のりば 春日大社本殿・近鉄郡山駅行 南郡山下車 徒歩約4分 |
送迎ハスの有無 | 無 |
宗旨・宗派 | 不問 |
霊園施設 | 永代供養施設・納骨施設・合祀墓・バリアフリー・駐車場 |
開園時間 | 9:00~16:00(見学予約) |
定休日 | 無 |
墓地タイプ | 寺院墓地 |
墓地の形態 | 納骨堂・樹木葬・クリスタルガラス墓・合葬墓 |
費用 | 納骨堂50万円~90万円・樹木葬40万円~100万円・クリスタル墓100万円から・合葬墓 納骨代20000円 納骨回向料30000円 など |
URL | https://www.sokujouji.jp/ |
王龍寺
王龍寺は、奈良では珍しい禅寺の寺院です。
本尊の十一面観音が重要文化財に指定されていて、事前に連絡すれば拝観することもできます。
また、南門の駐車場にある樹齢300年を超えるヤマモモの木は、天然記念物にも指定されていて、さらに参道周囲の山林は奈良市の文化財に指定されているなど自然環境が豊かで、歴史深い寺として有名です。
王龍寺霊園には、納骨・永代供養、樹木葬があります。
特に樹木葬は平成31年に開設されたばかりで新しくとても綺麗です。
王龍寺の永代供養および樹木葬は、遺骨が土に還るように工夫されていて、樹木葬ならではの場所となっています。
所在地 | 奈良市二名6-1492 |
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電話番号 | 0742-45-0616 |
最寄り駅 | 近鉄奈良線・富雄駅下車 |
アクセス | 近鉄奈良駅からタクシーで10分 |
電車・バス | 奈良交通バス 杵築橋下車 徒歩20分 |
送迎ハスの有無 | – |
宗旨・宗派 | 禅宗 黄檗宗 霊園は宗旨宗派問わず |
霊園施設 | 永代供養施設・納骨施設・駐車場 |
開園時間 | 無 |
定休日 | 無 |
墓地タイプ | 寺院墓地 |
墓地の形態 | 永代供養・樹木葬 永代供養塔(合祀墓) |
費用 | 永代供養塔(埋骨・納骨、以後総供養)1霊位10万円
個別墓石建立45万円(30年) 樹木葬1霊位20万円・2霊位40万円(13年で合祀) |
URL | http://oryuji.com/reien.html |
愛ふれあいガーデン奈良
寺院に属さない民営の墓地です。
近鉄奈良駅から車で15分という好立地にあるにも関わらず、自然豊かで見晴らしの良い高台の平地に建っているので、綺麗な夕日を眺められる絶好のロケーションが広がります。
大きな駐車場から階段がなくバリアフリーで墓地に行くことができ、体の不自由な人やお年寄にも安全な墓地であることが特徴的です。
樹木葬墓地は、すべての区画で永代供養・永久に合祀されることがなく、ご家族の要望に合わせてオリジナルのデザインで設計できます。
また、お隣には愛ペットメモリアルパーク加茂が併設されていて、大切な家族であるペットも人間同様の供養ができます。
ペットと共に暮らしてきた方にとっては、とっておきの場所となることでしょう。
所在地 | 京都府木津川市加茂町大畑アヤゴ17-12 |
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電話番号 | 0120-996-184 |
最寄り駅 | 大和路線 奈良駅・奈良線 奈良駅・万葉まほろば線 奈良駅 |
アクセス | 近鉄奈良駅から15分、相良郡精華町から25分、城陽市から40分、生駒氏から45分 駐車場完備 |
電車・バス | 近鉄奈良駅から(105・106系統広岡行)バス乗車20分「綾吾谷」バス駅前
JR奈良駅西口から(105・106系統広岡行)バス乗車28分「綾吾谷」バス駅前 |
送迎ハスの有無 | 無 |
宗旨・宗派 | 不問 |
霊園施設 | 愛ペットメモリアルパーク加茂が併設されている。 |
開園時間 | 不問 |
定休日 | 無 |
墓地タイプ | 民営墓地 |
墓地の形態 | 樹木納骨堂・ガーデン墓・墓地墓石セット |
費用 | 樹木納骨堂45万円~、ガーデン墓120万円~、墓地墓石セット130万円~ |
URL | https://kamo-reien.com/price/ |
九田寺
東に三輪山が一望でき、西には大和三山を望めるとても眺めの良いお寺です。
関西で始めてのガーデン墓所で、たくさんのバラに囲まれた庭園型樹木葬となっています。
世界に一つだけという自分のお墓をデザインして作ることもでき、家族の思いを大切にしたい方にはうってつけです。
管理も行き届いていて、雑草を取ることなどの心配もないため、後々家族や親族への負担が少ない安心な墓地です。
お墓を暗いというイメージでとらえずに、心を癒し故人との触れ合いの場となるような思いで作られたため、居心地の良い空間となっています。
所在地 | 奈良県桜井市巻野内124-2-1 |
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電話番号 | 0744-42-6503 |
最寄り駅 | 奈良線巻向駅から徒歩8分 |
アクセス | 西名阪自動車道「天理IC」より約20分~ |
電車・バス | JR櫻井線「巻向駅」下車東へ徒歩約15分~
奈良バス「巻向内」停留所より徒歩8分~ |
送迎ハスの有無 | 無 |
宗旨・宗派 | 浄土宗 宗教不問 |
霊園施設 | 法要施設・多目的ホール・駐車場 |
開園時間 | 無 |
定休日 | 無 |
墓地タイプ | 寺院墓地 |
墓地の形態 | 樹木葬・デザイン墓 |
費用 | 価格は未掲載 |
URL | http://kyudenji.info/ |
大和まほろば霊園
紫雲山極楽寺は聖徳太子ゆかりの寺院で、1400年の歴史があります。
日当たりが良くまたとても明るく、自然が豊かで静かな環境となっています。
樹木葬は庭園型墓地で50年間個別の区画で供養でき、ペットと入れる区画もあるので、大切なペットと一緒に眠ることも可能です。
大阪市内から車で30分、大和まほろばインターから5分と、アクセスが良好なことも好条件です。
生前予約ができ、年間管理費もないので、終活をお考えの方や子どもに負担をかけたくない方にお勧めの霊園です。
所在地 | 奈良県生駒郡亜安堵町東安堵1453 |
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電話番号 | 088-862-0468 |
最寄り駅 | JR「法隆寺駅」 |
アクセス | 西名阪自動車道「大和まほろばIC」より5分 |
電車・バス | 法隆寺駅より安堵町コミュニティーバス・奈良交通バスにて「安堵町町役場」下車徒歩5分 |
送迎ハスの有無 | 無 |
宗旨・宗派 | 極楽寺(不問) |
霊園施設 | 会食施設、駐車場、永代供養施設、納骨施設、合祀墓、法要施設 |
開園時間 | 無 |
定休日 | 無 |
墓地タイプ | 寺院墓地 |
墓地の形態 | 一般墓・納骨堂・樹木葬・永代供養墓 |
費用 | 永代供養墓30万円~、樹木葬15万円~、納骨堂60万円~ |
URL | http://www.ymahoroba.com/ |
當麻寺墓苑 クリスタルガーデン・樹木葬
當麻寺墓苑は、白鴎時代に建てられた歴史深い寺院で、全国で唯一、三重塔を東西二基残しており、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気の墓苑です。
春にはボタンの花が咲き誇り、訪れる人の目を楽しませてくれます。
本堂前墓地の新区画をはじめ、クリスタルガラスを使った「クリスタルガーデン」があり、クリスタルガラスは、半永久的に利用できるほど強度が高く雨にも強いので、家族が長い時間にわたって故人を偲ぶのにはふさわしい場所になっています。
所在地 | 奈良県葛城市當間1263 |
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電話番号 | 0745-48-2008 |
最寄り駅 | 近鉄南大阪線「当麻寺駅」より徒歩15分 |
アクセス | 南阪奈道路「葛城IC」より北に約5分、當間寺交差点を左折 |
電車・バス | 葛城コミュニティーバス |
送迎ハスの有無 | 無 |
宗旨・宗派 | 浄土宗(納骨は不問) |
霊園施設 | 永代供養施設・納骨施設・駐車場・管理事務所 |
開園時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 無 |
墓地タイプ | 寺院墓地 |
墓地の形態 | 一般墓・クリスタルガーデン・樹木葬 |
費用 | クリスタルガーデン934400円・新区画1766400円、樹木葬 500,000円 |
URL | https://taimadera.jp/nenbutu-in/ |
奈良樹木葬墓地
宗教法人「極楽寺」が運営する墓地で、聖徳太子によって建立された寺院の一つと言われています。
1400年もの歴史がありますが、建物は綺麗で手入れが行き届き、静かで落ち着いた雰囲気を持っています。
穏やかな住宅地にある庭園型樹木葬墓地で、数々の文化財を持つ極楽寺が管理・運営しているため安心感があります。
後継者のいない方も申し込みでき、ペットと一緒に入れる区画もあります。
樹木葬は、個別の墓地で家族一緒に(5霊まで)安置できる場所も用意されています。
一般墓のように自由に参拝ができますので、家族皆で同じ樹木葬に眠ることが可能な墓地となっています。
また墓石への彫刻は無料で行うことができ、契約から50年間は個別に供養・延長も可能な安心できる墓地といえるでしょう。
所在地 | 奈良県生駒郡安堵町東安堵1453番地 |
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電話番号 | 0743-57-2231 |
最寄り駅 | 「法隆寺駅」または近鉄「平端駅」 |
アクセス | 西名阪道「大和まほろばスマートIC」より車で約5分 |
電車・バス | 「法隆寺駅」または近鉄平端駅」よりバスにて「安堵町役場」下車、徒歩にて5分 |
送迎ハスの有無 | 無 |
宗旨・宗派 | 不問 |
霊園施設 | 新規開園・ペットと一緒・樹木葬・駐車場 |
開園時間 | 8:00~17:00 |
定休日 | 不定休 |
墓地タイプ | 寺院墓地 |
墓地の形態 | 樹木葬 |
費用 | 15万円~ |
URL | https://gokurakuji.org/ |
樹木葬にかかる費用は?
樹木葬の相場は、埋葬の種類や霊園によって違いますが、一般的に墓石を使用する埋葬より安くなります。
全国相場は70万円ほどです。
プレートを付ける、家族で入る、ペットと入る、などを希望する場合はさらに費用が追加されます。
それでも墓石を建てることに比べたら、費用的には抑えられる埋骨方法ですね。
樹木葬でかかる費用は、霊園によって、また納骨タイプによって違いがありますが、まずは費用の内訳から見てみましょう。
費用の内訳は、「初期費用」と「維持費用」に分けられます。
具体的には、各霊園・施設に確認をしてください。
<樹木葬 費用の内訳>
初期費用 | 霊園の使用料 | 霊園を使用する料金 |
永代供養料 | 遺骨の供養を霊園や寺院が行うことに対する料金 | |
墓標(プレート・草花・墓石等) | お墓のシンボルの樹木や墓石、プレートなど | |
埋葬費・工事費 | 埋葬にかかる費用、その他の設置にかかる費用 | |
維持費用 | 管理費用など | 管理費等 |
樹木葬の種類は?
樹木葬といっても、様々な種類があります。
どんなものがあるのか見てみましょう。
埋葬方法の違い
樹木葬は、3つの大きな型があり、価格も異なります。
共通しているのは、どれも樹木や草花を使ったお墓であること、そして永代供養墓であることです。
その一つ一つを見てみましょう。
個別型
個別納骨タイプ(墓石の代わりに樹木などのシンボルが1家族に一つあるタイプ)
家族単位で納骨することができます。
ですが、納骨できる期間が決まっており、その期間が過ぎると合祀されるケースが多いようです。
永代供養が付いているため、個別で埋骨したあとに「墓じまい」をする必要はありません。
個別タイプはトータルで50万円~150万円が相場です。(一人用、夫婦用、家族用)
集合型
集合墓タイプ(シンボルは共有で、遺骨は骨壺等で分けるタイプ)
樹木やプレートなどは存在しますが、遺骨は一人一人となっているため、後で取り出すことが可能です。(霊園によっては取り出すことができない場合もありますので確認が必要です)
集合型タイプはトータルで20万円~60万円で、個別型よりは低価格です。
合祀型
合葬・合祀タイプ(シンボルも分けず遺骨も分けないタイプ)
樹木などのシンボルは共有、また骨壺に入れて納骨しないため、安価となっています。
1遺骨あたり5万円~10万円。
霊園によっては希望があれば追加料金を払い刻名ができるようなものもあります。
後で取り出すことはできない場合が多いようです。
霊園タイプの違い
樹木葬には霊園タイプの違いもあります。
詳しくみてみましょう。
里山型の樹木葬
里山型の樹木葬とは、お寺や霊園が管理する里山を墓地として遺骨を埋葬する埋葬方法です。
植樹をすることで、山の保全にもなり環境にも良いと注目されるようになりました。
里山にあるためトイレなどの整備がされていないところも多く、参拝するのには高低差など大変な場合もありますが、里山型は樹木葬を希望する人の思いに一番近いのかもしれませんね。
公園型の樹木葬
ガーデニング型よりも郊外にあり、広い公園型はガーデニング型より価格が安価です。
里山型に比べると整備がきちんとされていますが、型よりは整備があるとはいえ、霊園施設によっては十分でない場合もあるので、実際に行ってみることが良いでしょう。
見晴らしがよく明るい雰囲気があります。
公園型にはガーデン型と合わせて表現される場合もあるようです。
ガーデン型の樹木葬
ガーデン型の樹木葬は、都市に近い、アクセスの良い場所にあります。
霊園墓地の中に自然を人工的に再現して樹木葬を行う方法です。
アクセスが良いため行きやすく、またトイレなども準備されている場所が多いようです。
都市に近いところにあるため、景観は里山型や公園型に比べて良いということはないかもしれません。
樹木葬を選ぶ際のポイントは?
樹木葬にも色々な種類があって、どこを選べば良いか迷ってしまいますよね。
そこで、樹木葬を選ぶ際のポイントを解説したいと思います。
ホームページなどで情報を集める
まずは、霊園や寺社のホームページや関係する記事を読んで、自分がどんな樹木葬がしたいのかを調べることから始めます。
霊園や寺院に資料を請求したり、お問い合わせメールなどが付いている施設もありますので連絡を取ってみることも良いことです。
地域、場所、雰囲気、また価格等を見ながら候補を挙げていきましょう。
実際に行ってみる
関係する記事やホームページなどを見て、「ここがいいな」という候補については、実際に行ってみることがお勧めです。
行ってみることで写真ではわからない雰囲気や、施設までのアクセスなども体験することができます。
また、イメージが違うときもあるかもしれませんし、逆に行ってみて気に入ることもあるかもしれません。
季節を変えて何回も訪れてはいかがでしょうか。
実際に行く際には、予約が必要なころもありますから確認しましょう。
また聞いてみたいことなど、質問を用意していくと霊園の対応の仕方についても見ることができると思います。
できれば家族と行く
樹木葬は、有名になってきているとはいえ、まだ一般的にはなじみが浅いものです。
自分の思いを家族に伝えるためにも、一緒に行ってもらい、家族が感じることを聞いたり、自分の思いを伝えたりする良い機会となります。
のちにトラブルが起きないためにも契約をする前に家族にも行ってもらうことが大切です。
樹木葬で後悔しない為に!考えられるトラブルは?
樹木葬を選ぶ際、パンフレットやネット等で素敵な景観を見て選ぶ方もいるでしょう。
また、季節の良い時に見学に行くと素敵な景色も広がります。
でも、家族がお墓に行くのは、お盆やお彼岸だったりするため、例えば桜や芝桜が綺麗で選んだとしても一番良い季節に行くとは限りません。
イメージに合うかどうかは一番良い季節だけではなく、違う季節にも見学すると良いかもしれません。
また、景色が良い場所はアクセスが悪かったり足場が悪かったりする場合もあります。
高齢になった時にお墓に行けないということもあるかもしれませんので、その点にも注意しましょう。
樹木葬のメリット・デメリット
とても人気のある樹木葬ですが、デメリットもないわけではありません。
以下の示すメリット・デメリットを考慮しながら、よく検討して後悔しないように選ぶことが大事です。
樹木葬のメリット
樹木葬のメリットは
① 自分のお墓を自分のイメージで選ぶことができること(場所、環境、広い空間、明るさなど)
② 永代供養であること・墓じまいが必要でないこと
③ 価格が比較的安価なこと
④ 引き継ぐ家族がない場合でも大丈夫なこと
⑤ 個人、夫婦、家族、さらにはペットとも入ることができる霊園もあること
などがあります。
価格が安く、永代供養と言うのが最大のメリットですよね。
樹木葬のデメリット
樹木葬のデメリットは
① 家族にも納得してもらう必要があること
② 後で遺骨を取り出すことができないことが多い
③ 樹木の手入れが必要な場合がある
④ お線香は備えられない
⑤ 季節によって景観が変わる
⑥ 近くに樹木葬ができる霊園や寺院・施設がない
⑦ アクセスが悪かったり、高齢になったら行きづらい施設もある
などがあります。
やはり、遺骨を取り出すことができないのが最大のデメリットです。
樹木葬を選ぶさいは、メリット・デメリットを考慮しながら決めてくださいね。
樹木葬の検討から埋葬までの流れ
樹木葬をしようと思ったときに、どんなことを検討し、手続きを進めていけばよいのか、考えていきましょう。
樹木葬は基本的に継承を必要としない永代供養です。
基本的な手続きの流れは、普通の墓地の契約と変わりません。
本人や家族の意思をもって契約をするので生前契約が可能です。
もちろん、家族で樹木葬を一つの区域に入れる霊園もありますので、どういう形の樹木葬が良いのかも検討してみましょう。
埋葬までの流れとしては以下のようになっています。
① 墓地の情報を集める
② 現地を見る
③ 契約と支払い
④ その他は通常の埋骨と同じ準備が必要です。通常の埋骨の準備等は、ご確認ください。
死亡診断書・死体検案書、死亡届の提出、火葬許可証・埋葬許可証、通夜・葬儀・火葬・骨上げ、
埋葬散骨⇒樹木葬を管理する施設に埋葬日を連絡して埋葬します。
埋葬する際には、埋葬許可証が必要です。
樹木葬を選ぶ際の注意点
樹木葬は墓石がないため、選ぶときには家族との合意も必要です。
価格はもとより、場所、霊園の雰囲気など、ご自分の意思を家族に伝えて埋葬してもらえるようにする必要があります。
樹木葬と言っても好きなところに埋葬することはできません。
墓石がないだけで、埋葬する場所は法律に定められた場所ですので気を付けてください。
また、個別に管理する樹木葬以外は遺骨を取り出すことはできませんので、納得した上で決めると良いでしょう。
まとめ
樹木葬は時代にあった埋骨・供養の仕方の一つです。
自然に還る、土に還る、それぞれ意味があり、また自然の恵みを感じながら自分の死後をイメージすることもできるでしょう。
全国的にも樹木葬ができる霊園も増えてきましたが、まだまだ数は少ないとも言えます。
まずは近隣で樹木葬ができる霊園や寺院があるのか、気になるところがあったら見学に行き、目で確かめてほしいと思います。
ご家族にも喜んでもらえる場所が与えられるといいですね。